
故郷を思う日多し春みぞれ
どんよりと重く沈んだ故郷の三月。いつも、みぞれにびしょびしょと濡れていた記憶があります。
2009/03/12
見回せどどこも他郷や花の彼方
上野は、花見の客でごったがえし、西郷さんも渋い顔。久しぶりに上野に来てみたものの違和感一杯。
2009/04/09
梅の子や遥か純真無垢の日々
このちょっと触ってみたくなる、赤ちゃんの肌のような質感。梅の木の下のままごと遊びを思い出す。
2009/04/22
ほの白く渓暮れかかる錨草
渓流に出て、イカリソウを見つけた時、高校時代、渓流に遊びにった日のことを鮮やかに思い出した。
2009/04/29
頬白き少女に茱萸の花と棘
赤川の川岸には、昔、広大なグミ原が広がっていた。その棘に刺されながら、釣りに行ったのを思い出す。
2009/04/29
渓捲けば片栗の花手に足に
月山から流れ出す渓流に釣りに行って、崖をよじ登っていくと、突然、一面カタクリの群落が…。
2009/04/29
行く春に投げた小石の届かざり
どうしようもないことがある。どうしようもないまま東京に出てきた。世の中、思うようにいかない。
2009/05/01