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セイヨウヒキヨモギ (西洋引蓬) ゴマノハグサ科|ヒキヨモギ属

セイヨウヒキヨモギ
撮影日:2011年5月31日|場所:千葉県船橋市南船橋駅前空地

今日、2011年5月31日、大発見をしました。
南船橋駅前に、昔からちょっとじめっとした空地があって、杭と針金の柵で囲ってあるのですが、たまたまそこを通りかかって、背の高い黄色い花を見つけたのです。
オオマツヨイグサにしては時期が早いけど、何だろうと思って近づいてみると、これが見たこともない花。
柵から1メートルほどのところに、背丈50cmほどのものが1本、そのすぐ後ろに1本、その奥2〜3メートルほどのところに、20〜30cmほどの高さのものが3本咲いています。
ちょっとどきどきしながら、柵から身を乗り出して撮影したのが、この写真です。
これまで、本でもインターネットでも見たことがない花です。花の形はゴマノハグサ科独特の形をしていますが、ゴマノハグサ科で黄色は珍しく、ゴマクサにちょっと似た感じです。
家に帰ってすぐ調べて見たのですが、もちろん本には載っておらず、インターネットで黄色の花で検索してみたのですが、まったくわかりませんでした。
ところが、ちょっとまえに何気なしに「ゴマノハグサ科 黄色」で検索したら、1ページ目で出てきたのです。
セイヨウヒキヨモギ (西洋引蓬)、これがこの花の名前です。
ネットで情報をいろいろ集めて見ると、どうも、1973年に千葉県船橋市で初めて発見されたヨーロッパ原産の帰化植物らしいのです。いまではあちこちで見られるらしいのですが、それにしてもまだ新しい花なのです。私としては大満足。

私の直感は当たっていて、ゴマノハグサ科でしたが、わかってみれば簡単、花の形がマツバウンランやムラサキサギゴケ、トキワハゼなどとそっくりです。
すっと高く立ち上がっている姿は、同じゴマノハグサ科のビロードモーズイカと似ていなくもありませんが、花の形が分からないほどの遠目には、オオマツヨイグサそっくりです。
後ろにぽつぽつと黄色く見えているのは、コメツブツメクサです。ここではもうひとつ、「ハナハマセンブリ(花浜千振)」という珍しい花も見つけました。
この空き地には、他にもあまり見かけない花がいろいろありました。
そういえば、10数年前、「ヤセウツボ」を初めて見たのもこの空き地でした。ここはちょっとついている場所かもしれません。
<追記>
また、いまネットで新しい情報を仕入れました。この花は半寄生植物で、宿主はヨモギやコメツブツメクサではないかというようなことが書いてありました。それで周りにコメツブツメクサが生えているのかもしれません。
<2011年6月4日>
4日前にはじめて見た花なのに、今日、海岸に散歩に行ったら、海岸通りと砂浜の間の緑地に、それこそ無数に咲いていました。
梅雨の晴れ間の暑さで、いっせいに開花したのかもしれません。
見つかる時はこんなものです。
  セイヨウヒキヨモギ

 
セイヨウヒキヨモギ・メモ
■セイヨウヒキヨモギの特徴
セイヨウヒキヨモギ全体 ▲背が高く直立
背丈は20〜50cm。直立し、上部に十数個の黄色い花をつけます。いま気がついたのですが、ヨツバシオガマの花の色を黄色にすれば姿がそっくりかも。
セイヨウヒキヨモギ正面 ▲花を正面から見ると
セイヨウヒキヨモギ上から ▲花を上から見ると
セイヨウヒキヨモギ横から ▲花を横から見ると
花は、花柄がなく、花弁は唇状に二つに分かれて咲きます。
下の花弁は三つに分かれ、その二つの切れ目の所がちょっと高く膨らんでいます。
上下の花びらの間から、雌しべが見えます。雌しべは上部の花びらにくっついているようです。
上部花弁には、産毛の様な腺毛が生えています。
セイヨウヒキヨモギ横から ▲茎と葉
葉は、鋭い楔形で、縁がのこぎり状、葉脈が縦にくっきりと走っていて、腺毛がびっしりと生えています。
写真ではあまりはっきりしませんが、葉は上部では互生し、下部では対生しているようです。
他の二本 ▲他の二本の花
近くに咲いていた他の二本の花です。先の花に比べると背丈は低く、1本は20cm、もう1本は30cmほどです。