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コメツブツメクサ (米粒詰草) マメ科|シャジクソウ属

コメツブツメクサ
撮影日:2011年5月31日|場所:千葉県船橋市南船橋

10年ほど前から、それまでシロツメクサの場所だったところを埋め尽くすようにして急激に増えてきた雑草で、4月中ごろから6月中ごろまで見ることができます。
花や葉の形はシロツメクサをそのまま小さくしたような姿で、花の色は黄色。花は非常に小さく、5ミリ前後で野原を黄色い絨毯のように覆い尽くします。
図鑑やネットなどで調べると、似ている花として必ず比較してあるのが、「コメツブウマゴヤシ」と「クスダマツメクサ」です。
残念ながら「コメツブウマゴヤシ」は見たことがないので何とも言えませんが、くすだまツメクサは大きさが全く違うのですぐにわかります。
ところが、昨日(2011年5月31日)、ちょっとどっちとも言えない花を発見してしまいました。
大きさはコメツブツメクサとクスダマツメクサの中間で、背丈は高く、花の色は白っぽく、形はクスダマツメクサに似ている、というものです(右側の写真参照)。
この写真だけ見れば「クスダマツメクサ」と言う人がほとんどでしょうが、それにしては花が小さいような気がします。

この3種類の花が、わずか数十メートル程度の間に咲いていたので、比較できるように改めて撮影してきました。この画面の右側で解説します。
 
コメツブツメクサ・メモ
■花の比較
コメツブツメクサ ▲(1)コメツブツメクサ
クスダマツメクサ? ▲(2)不明(クスダマツメクサ?)
クスダマツメクサ ▲(3)クスダマツメクサ
(1)のコメツブツメクサの花の大きさは約5ミリ。色は鮮やかな黄色で、受粉が終わると花弁が萎んで垂れ下がり茶色に変色します。
(2)は(1)より小さく(2)より大きい花で約6〜7ミリ。色はかなり白っぽい黄色で、受粉した花弁はふっくらと膨らんで垂れ下がるようです。枯れてもそれほど茶色にはなりません。
(3)のクスダマツメクサの花の大きさは8〜10ミリ。色はコメツブツメクサよりはやや淡い黄色で、受粉後もふっくらと膨らんだまま枯れて、それほど濃い茶色にはなりません。
■繁殖状態の比較
コメツブツメクサ ▲(1)コメツブツメクサ
ハマハナセンブリ ▲(2)不明(クスダマツメクサ?)
ハマハナセンブリ ▲(3)クスダマツメクサ
(1)の背丈は10〜20cm。地を這うように横に伸びて繁殖します。
(2)の背丈は30〜50cmほど。周りの雑草と競うように上に伸びています。最初見た時はクスダマツメクサと思ったのですが、花の大きさから判断すればコメツブツメクサと言ってもいいほどです。
(3)の背丈は50〜70cm。膝がすっぽり隠れてしまうほどの高さで密生しています。もっともこれは周りの雑草の背が高いということが関係しているかもしれません。 葉の大きさ、茎の太さなどは3種類ともあまり差はないようです。