野の花図鑑トップへ 前のページへ戻る野の花図鑑トップページへ→

ヒメフウロ(姫風露) フウロソウ科|フウロソウ属

ヒメフウロ
撮影日:2011年5月31日|場所:千葉県習志野市秋津

この花は、先日、野草を撮りに行った帰りに偶然道端で見つけたもので、この1株しかありませんでした。
ヒメフウロは、滋賀県の伊吹山とか四国の剣山に自生してているものが有名らしく、絶滅危惧種にも指定されているようですが、こんな道端に咲いているということは、栽培されていたものが、どこからか飛んできたものと思われます。
園芸種に「ヒメフウロ」と言う花がありますが、それは別物で、花弁は、もっと広く丸く、葉の形が全く違います。

最初見つけた時は、見たこともない花だったので、ちょっと興奮したのですが、調べているうちに、栽培されたものが逃げ出して、かなり野生化しているということが分かって、なんとなくテンションが下がってしまいました。
ところが、写真を見ているうちに妙な事に気がつきました。1株に花が二つ並んで咲いていたのですが、この二つがどこか違います。よく見ると、片方は花弁が細めで、雄しべがないようです。
ネットでいろいろ写真を調べて見たら、雄しべがないのとあるのと五分五分といった感じです。
考えられるのは、雄しべがない方は、おそらく受粉が終わって、花が散る直前のものなのではないか、ということです。雄しべは役目を終えて散ってしまったのではないでしょうか。そんなことは調べた限りでは、どこにも書かれていませんでした。
ちなみに、山と渓谷社の図鑑「山に咲く花」に掲載されている写真には、雄しべがありません。

 
ヒメフウロ・メモ
■ヒメフウロの特徴
ヒメフウロ ▲ちょっと違う二つの花
左右に並んだ二つの花をよく見ると、ちょっと違うことがわかります。右の花には雄しべがありますが、左の花には雄しべがありません。
ヒメフウロ ▲二つの花を比較したところ
それぞれの花を正面と斜め横から見たところです。上の二枚は同じ花で雄しべが見当たらず、雌しべの先端が黒くなっています。
下の花は、雄しべが花弁に沿ってきれいに並んでいて、雌しべの先端は黄色になっています。花弁の形も、上の花に比べてふっくらしているように見えます。
ヒメフウロ ▲花が散った後?
これは、花が散った後のようです。おそらくこれがフウロソウ科特有のロケット状の実になって、熟すとはじけることになるのではないかと思います。
葉は赤くなっていますいますが、これもフウロソウ科特有のもので、花が終わる頃になると大概赤くなっていくようです。