野の花図鑑トップへ 前のページへ戻る野の花図鑑トップページへ→

ワルナスビ(悪茄子) ナス科|ナス属

ワルナスビ
撮影日:2009年6月27日|場所:千葉市幕張海岸

この花は、梅雨のころから秋口まで、道端や空地、荒れ地、畑などでよく見かけます。
野菜の茄子に似た花で、白い花のものと薄紫の花のものがあります。
人通りの多い道端や植え込みの陰などでは、数株群がっている程度ですが、ある程度広い荒れ地などでは、数メートルにわたって群生しているのを見かけます。
一度はびこると、除草剤も効きにくく、なかなか駆除できないということで、庭づくりを趣味にしている方、農家の方には嫌われているようです。
名前そのものが、何の役にも立たない悪い茄子ということから付けられたもの、やっかいものです。
北アメリカの帰化植物で、全世界に分布していますが、日本では、昭和初期に千葉県で植物学者の牧野富太郎氏のよって発見され、命名されました。
草全体に毒を含み、家畜などが食べると、中毒死することもあるということです。

 
ワルナスビ・メモ
■ワルナスビの特徴
ワルナスビ ▲バナナのような葯。
長い地下茎を伸ばして繁殖し、背丈は50〜100cm。 茎は途中から数回枝分かれし、上部の節と節の間から集散状に6〜10個の柄を出して花序をつけ、2cmほどの白または薄紫の花を咲かせます。
この花の特異なところは、雄しべです。
花柱がほとんどない、バナナのような黄色く長く太い葯を5本持っていて、よく目立ちます。
葯の先端には穴があいていて、そこから花粉を出すということです。
ワルナスビ ▲葉の裏と茎に鋭い棘。
葉は互生し、長さ8〜15cm、幅4〜8cmの長楕円形で、縁には大きな波状の鋸歯が3〜4個あります。
茎や葉の裏には、鋭い棘があり、これも嫌われる原因になっています。
ワルナスビ ▲群生している様子。