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コウホネ(河骨・川骨) スイレン科|コウホネ属

コウホネ
撮影日:2009年6月27日|場所:千葉県香取市(旧佐原市)

コウホネは、子供の頃の思い出がたくさんある花です。
いつも鯉やナマズを捕まえに行く川の流れが緩い場所に、たくさん生えていて、それを取ってきて庭の池に植えたり、コウホネの長く太い茎を1cmほどに交互にポキポキと折って、聴診器だといいながら遊んだりしたのを覚えています。
その茎をポキポキ折る音が気持ちいいので、子供たちはみんな、「ポキ」と呼んでいました。
数年前、月山八合目の弥陀ヶ原でコウホネが咲いているのを見たとき、葉がいつも見るコウホネと違い、スイレンのように水面に浮いていたので不思議に思ったのですが、近くに看板が立っていて、オゼコウホネであることがわかりました。
コウホネにもいろいろあるようで、皇居の東御苑の池には、ヒメコウホネという種が咲いていました。
コウホネは、昔から漢方薬としても知られ、強壮薬や打撲の腫れや痛み、また、止血薬として広く婦人病などに用いられてきたということです。
コウホネ(河骨」という妙な名前はどこから来たのか気になるのですが、どうも、根茎が白色で肥大し, これが白骨のように見えることから付けられた名前のようです。
いつものことながら、もう少し違う名前を付けてやればいいのに…。

オゼコウホネ ▲月山八合目の弥陀ヶ原のオゼコウホネ。   ヒメコウホネ ▲皇居東御苑のヒメコウホネ。

 
コウホネ・メモ
■コウホネの特徴
コウホネ ▲蕾と開きかけの花。
蕾の時は、緑色のガクでしっかりと守られていますが、開き始めると、ガクの色も黄色に変わってきます。写真の花はオレンジ色になっていますが、なかにはこのようなものもあります。
コウホネ ▲全開の状態。
五枚の花弁に見えるものは、ガクが黄色く大きくなったもので、本当の花弁は、ガクの内側奥にちょっと見えているへら状のもの。
中央の放射状に開いているのが雌しべの花頭で、それに寄り添うように、また、取り囲むように反り返っているのが雄しべです。
コウホネ ▲受粉後の様子。
受粉が終わると雄しべはすべて反り返り、子房が膨らんできます。
コウホネ ▲子房やガクが緑色に変わる。
子房が大きくなるにつれ、雄しべは枯れ、子房とガクは緑色に変わっていきます。
コウホネ ▲水面から突き出る葉(写真下方の水面に浮いている丸い葉は、スイレンの葉)。
葉は、細長い水中葉と、水上に突き出る長さ20〜30cmの楔形に近い卵型の葉の2種類あるようです。