クマツヅラ(熊葛)

クマツヅラ科|クマツヅラ属
クマツヅラ
撮影日:2006年7月09日|場所:千葉県いすみ市岬町
この花とはずいぶん出会っているような気がしていましたが、実際に撮影したのは、これが最初で最後のようでした。
千葉県の大東崎へシカシユリを見に行ったときのことです。
夏の日差しの照りつける中、外房線大東駅から誇りっぽい道をずいぶん歩いてうんざりしていたときに、大東崎の灯台へ行く分かれ道の辺の道端で見つけたものです。
ずいぶん背が高くよく目立っていたのですが、何度も見ている花だと思ったのと、早くスカシユリに会いたいこともあって、危うく通り過ぎるところでした。 ちょっとカメラで覗いてみてびっくり、意外にかわいい花です。遠目の立ち姿がアレチハナガサに似ていたため、一瞬混同していたようです。
周りが雑草だらけで、普通のレンズで撮影すると、草にまぎれて何を撮っているのかわからなくなるので、望遠レンズで周りをぼかしてしまおうと思ったのですが、海からの風が強く、なかなかピントが合いません。
数十枚撮って、使えるのはこんなものしか残りませんでした。いつものことですが・・・。
クマツヅラ
▲道端の草むらの中に咲いていたクマツヅラ。
クマツヅラ
▲四方八方に枝分かれしています。
名前の由来を調べてみると、茎が入り乱れて絡まる感じが熊に似ているからといったような、あまり説得力のないことが書いてありました。
クマツヅラは、かなり昔から日本に自生していたようで、900年代に書かれた「和名抄」にも書かれているということです。
別名馬鞭草(バベンソウ)。ヨーロッパやアジアにも広く分布し、洋の東西を問わず、古くから解毒や婦人病、皮膚病などの漢方薬として使われてきたようです。

クマツヅラ・メモ

■クマツヅラの特徴

クマツヅラ
▲クマツヅラの花
クマツヅラ
▲クマツヅラの花
日本の本州、四国、九州、沖縄の山野や道端に生える多年草。高さ30〜60cmほどで、上部で枝分かれし、6〜9月頃、枝先に30cmにも達する花序を出し、4〜5ミリほどの薄紫の花をまばらに付けます。
葉は、この写真からはよくわかりませんが、長さ3〜10cm、幅2〜5cmのちょっと細長い卵形で、三つに分かれ、さらに切れ込みが入り、皺状になります。
姿や花の形がアレチハナガサに似ていたのは、アレチノハナガサやヤナギハナガサと同じ仲間のクマツヅラ科クマツヅラ属だからでした。