山地に生える雌雄異株で高さ2〜6メートルの落葉低木。名前の由来は複雑で……。和菓子などについてくるちょっと高級なつま楊子のことを「くろもじ」といいますが、昔は楊子の樹皮の部分が黒いことから「くろようじ」と呼ばれていたものが、宮中言葉で「ようじ」が「もじ」と言われていたことから「くろもじ」となったのだそうです。その「くろもじ」の材料がこの樹だったので、樹そのものを「くろもじ」と呼ぶようになったということです。
葉と花を同時につけ、花は3〜4ミリ程度の小さな花がかたまって咲き、葉とほとんど同色の薄い黄緑色をしています。
枝や葉からは芳香のある油がとれ、昔は灯油として使われたり、香水や髪油の原料として輸出されていたこともあったようです。また、根皮は皮膚病の薬として使用されています。
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