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ブタナ (豚菜) キク科|エゾコウゾリナ属

ブタナ
撮影日:2009年4月29日|場所:千葉市幕張海岸

ブタナは、春4月頃から秋口まで咲いている花期の長い花ですが、最盛期はなんと言っても5月初めから6月頃まででしょう。野原や空き地、荒れ地、造成地、特に高速道路の横の土手や中央分離帯などで見かけます。この時期、ちょっと背の高い黄色い花を見つけたら、まずブタナと思って間違いありません。
いまでこそ、わがもの顔に荒れ地を席巻していますが、実は、まだ歴史の浅い帰化植物なのです。はじめて発見されたのは昭和のはじめと言われていて、フランスでは豚が好んで食べることから「豚のサラダ」と言われ、それが日本では「ブタナ」になったと言われています。
このブタナもそうですが、「オオイヌノフグリ」とか「ヤブジラミ」とか、植物の名前には変な名前が多いのです。日本の植物学者は、なんとセンスがないのでしょうかね。

この写真は、幕張にある千葉ロッテ球場の裏にある造成地の土手に咲いていたものです。
バックの地面一面に咲いている黄色い花は、コメツブツメクサです。このコメツブツメクサも荒れ地など環境の悪いところにも適応する強さを持つ帰化植物で、日本の緑地はいまや、このブタナとコメツブツメクサに占領されてしまいそうです。

 
ブタナ・メモ
■別名タンポポモドキ
タンポポモドキというのも何とも失礼な名前の付け方ですが、花は大きさ、形ともにタンポポによく似ています。
ブタナ ▲ひょろりと長い花茎
ブタナ ▲途中で分岐している花茎
ブタナ ▲茎には申し訳程度の小さな葉
タンポポとは属が違うので間違うことはまずありませんが、念のため違いを言うと、まずひょろりとした30〜50cmの長い花茎を伸ばし、よく目立つということ、それと、タンポポは一本の茎に一つの花が付きますが、ブタナは茎が途中で3本程度に分岐して、それぞれに花をつけるということ、それともう一つ、よく見るとわかりますが、茎の途中に小さな葉が付いていること。