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撮影日:2011年6月20日|場所:千葉県市川市
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この花、荒れ地や造成中の空地などに、ひときわ高くポツンと咲いているのをよく見かけます。かとおもうと、庭に植えている方も多いようです。
調べて見ると、南米原産の帰化植物で、栽培植物として持ち込まれたようです。野生化したのは最近のことらしく、もともと環境にあまり左右されない繁殖力旺盛な多年草なので、急激に増えているようです。
別名、「三尺バーベナ」と呼ばれているほどで、背丈は1メートルと高く、その高さに耐えかねて、横に倒れてしまうものも少なくありません。
花は鮮やかなピンクから赤紫色で、バーベナの様な小さな花を塊として咲かせるので、遠目にもよく目立ちます。
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<2011年6月27日>
印象が非常に似ている野生の花で、「アレチハナガサ」という花があり、うっかり間違えてしまうこともあるのですが、ヤナギハナガサは、そのアレチハナガサを園芸種として改良した植物と言った感じです(実際は、どちらも観賞用として持ち込まれた帰化植物です)。
また、同じクマツヅラ科クマツヅラ属で、科目の名前にもなっている「クマツヅラ」という花があり、これも基本的には同じと言っていいほどよく似ています。
私の印象として、何かに例えるとすれば、ヤナギハナガサは、おきゃんで派手好きな下町生まれの娘さんで、アレチハナガサは、無口で色黒、素朴な山育ちの娘さん、クマツヅラは、山の中から都会に出てきて、ちょっとおしゃれを気にかけるようになった恥ずかしがり屋の娘さん、といったところでしょうか。
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▲おきゃんで派手好き、下町育ちの娘「ヤナギハナガサ」。
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▲無口で素朴な山育ちの娘「アレチハナガサ」。
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▲おしゃれに目覚めた恥ずかしがり屋の娘「クマツヅラ」。
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ヤナギハナガサ・メモ
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■ヤナギハナガサの特徴
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▲こんもりとまとまって咲く花。
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ひょろひょろと長く伸びた茎の先端から3本の長い花茎を出し、その先端に花序を散形状につけ、ピンクの小さな花をこんもりと咲かせます。
クマツヅラ属の花はすべてこんな感じですが、花のつき方が違います。ヤナギハナガサはたくさんの花を付けますが、アレチハナガサやクマツヅラは、蕾はたくさんつけても、実際花が咲くのは数個です。
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▲紫がかった鮮やかなピンクの花。
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花の大きさは4〜5ミリ。鮮やかなちょっと紫がかったピンクで、花弁は深く5裂し、さらにその花弁の先端が浅くくびれている、ロート状の合弁花です。
ロート状のくびれた部分は、濃いマゼンタで、花弁の裏側には細かい毛が生えています。
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▲茎は4角形、葉は細く対生。
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茎は四角形で細かい毛が生えています。葉は、柳の葉に似た細い鋸歯状、その葉の形からヤナギハナガサと呼ばれるようになったということです。
葉は対生で、茎のところが茎を抱くように広くなっていて、枝分かれする時は、その葉の間から枝が葉と同じように対生に出ていくようです。
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