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撮影日:2009年6月27日|場所:千葉県幕張海岸
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この花はどこか郷愁を誘う花です。名前も珍しく情趣のある名前で日本人好み、形も大きな釣鐘型で美しく、興味をそそります。
以前は、この花を探して、千葉の里山を歩き回ったこともありましたが、なかなか見つけられませんでした。
数年前、千葉県の九十九里のはずれ大東崎の灯台に行く途中の山道で、道端にたくさん咲いているのを見つけたときは、とても感激したものですが、最近は近くの公園などでも見かけるようになりました。そうなると感動も薄れてきてしまいます。
ホタルブクロという名前は、花の形が提灯に似ていることから「火垂(ほたる=提灯のこと)」と呼んだ、という説と、子供が花の中に蛍を入れて遊んだことから、という説があるようですが、蛍を入れて遊んだという説はちょっとどうでしょうか。
ちょうどいい具合にそこにホタルブクロがあるとは限らないし、花の中に蛍を入れたとしても、どうやって逃げられないようにするのかなど、いろいろ無理があってちょっとあやしい。
「ホタルブクロ」というと、どこか可憐で、草の中にひっそりと咲いているような感じがしますが、実は非常に大きな草で、一株から無数に枝分かれし、80cmにもなるような大きなものもあります。
大東崎の灯台の周りに咲いていたものは、種類が違うのではないかと思われるほどの大株でした。
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<2011年6月28日>
ホタルブクロを図鑑などで調べてみると、ホタルブクロには、「ホタルブクロ」「ヤマホタルブクロ」「シマホタルブクロ」の三種類あることがわかりました。また、「シマホタルブクロ」を除いて、色も白、薄紫、赤紫、青紫などいろいろあることもわかりました。
見分け方としては、ホタルブクロは萼片の間に反り返る付属片があり、ヤマホタルブクロは、萼片の間が盛り上がっているということ。
シマホタルブクロは、花が3cmほどと少し小さく、花の色は白、花に毛や斑点がなくて、花の数も多いということです。
このことを頭に入れて、これまで撮影した写真を見直して見ると、大東崎で撮影したものは、ヤマホタルブクロかシマホタルブクロのようです。特に灯台の周りで撮った大きな株は、シマホタルブクロのようにもみえます。
この大きな株は花のアップなどを撮っていないのでよくわかりませんが、今思うと、他のホタルブクロとは、花の数や大きさなど、どこか違うような印象がありました。
野草は、調べて見ると知らないことがいろいろ出てくるので、無駄だと思っても、いろいろな角度から撮影しておく必要性を痛感しました。
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▲萼片の間に反り返る付属片があるホタルブクロ。
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▲萼片の間が盛り上がっているヤマホタルブクロ。
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▲これはシマホタルブクロか?不明」。
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ホタルブクロ・メモ
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■ホタルブクロの特徴
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▲下を向いて咲く釣鐘状の花。
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背丈は40〜80cmほどで、白または薄紫の大きな釣鐘状の花を数個、うつむきに付けます。
草地や道端、山の斜面などに自生していますが、観賞用として栽培もされているようです。
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▲花弁の内側にも長い毛が…。
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花の大きさは4cmほど。白と薄い赤紫、濃い紫などがあります。
花弁には細かな斑点があり、全体に細かい毛が生えています。特に花弁の内側には長い毛が生えているようです。
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▲葉は三角状卵型。
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根生葉は卵心形で花期には枯れるようですが、茎葉は三角状卵形、または披針形で、長さ5〜8cm、幅1.5〜4cmほど。縁は細かい鋸歯状になっています。
茎の先端近くの葉の間から柄を出して、花序をうつむきに付けます。
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