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撮影日:2008年7月2日|場所:山形県鶴岡市月山弥陀ヶ原
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月山の弥陀ヶ原では、7月の初めごろ、雪がまだあちこちに残っている頃から、8月の終わり頃までは咲いているようです。
一つの花が咲いている期間はそれほど長くないようですが、群生していて、入れ替わり立ち替わり咲いているようなのです。
まず、この花について断わっておくと、実は、一見草のように見えるこの植物は、地面を這う落葉低木、つまり木の仲間だということです。
雪が解けた後、葉が出るまでの間は、その幹を見ることができるはずですが、見たことはありません。
高山の湿原などでは代表的な花なので、あえて、草のところに掲載してみました。
それともう一つ、非常に特徴的で面白いのは、花が終わった後、20〜30本もある雌しべ(雄しべと書いてあるものもあるが、実だということなのでおそらく雌しべ)が鬚状に長く伸びて、花のときには想像もできない、全く違った姿を見せることです。
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<2011年8月2日>
夏山を代表する花とも言われるチングルマですが、これが木の仲間だとは信じられないと思います。
7月2日に撮った写真では、イワイチョウの群落に混じって咲いているのですが、イワイチョウがやっと咲き始めたころから咲いていて、このイワイチョウの葉の間をチングルマの幹が這っているとはとても思えません。
まるで海辺の砂浜に咲くハマゴウのようです。ハマゴウも草のように見えて、実は、砂浜を這う大きな木なのです。
月山の弥陀ヶ原では、いたるところに咲いていて、特に大きな群落になっているところでは、これぞお花畑といった観を呈しています。
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▲弥陀ヶ原のチングルマ大群落。
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▲イワイチョウ(丸い葉)の群落ととチングルマ。
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▲茎(枝?)の高さ、5〜15cm。葉は、奇数羽状複葉。
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▲花が終わった後の長く伸びた鬚の様な綿毛。
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チングルマ・メモ
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■チングルマの特徴
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花の大きさは2〜2.5cmほど。5弁の白い花弁を持ち、n花の中央には、20〜30本の黄色い雌しべ、そしてその周りを無数の黄色い雄しべが取り囲んでいます。
受粉が終わると、花弁と雄しべが落ち、雌しべが長く伸びて鬚の様な綿毛になります。
その形が、昔の子供(稚児)がもつ風車に似ていることから「稚児車」と呼ばれ、それが訛って「チングルマ」になったということです。
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▲雄しべと雌しべの黄色が目立つ花。
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▲花が終わった後の綿毛。
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■高山の湿地や砂礫地に群生
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大体、2〜3メートルの大きな塊が一つのユニットのようになっていて、多いところでは、そのユニットがいくつもつながって繁殖しています。
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▲群生しているチングルマ。
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▲高山の夏を代表する花です。
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