今回の「鳩と少女」は、色を重視したので、固い木ばかりになってしまいました。
面白いのは、濃い色とか、鮮やかな色の木ほど固い、と言うこと。
例えば、この絵の中に使っている木で、一番固いのは、羽の部分に使っている濃い紫色のパープルハートという木。紫檀や黒檀よりも固く、しかも脆いというどうしようもない木ですが、色が独特なので使っています。
たったこれだけ彫るのに5時間近くかかってしまいました。
また、顔の下に背景として使っている黒いのがインドローズ、赤いのがパドックと言う木なのですが、これもまた固く、途中で投げ出したくなります。
尾に使っているちょっと緑色がかった木は神代欅。これは、木に逆らわずに刃を入れればまあまあ削れるのですが、小口や逆目になると、彫刻刀が跳ね返される感じです。
顔に使っているのは桜で、これは一番彫刻に合っている木ではないかと思っています。適度な固さと粘りがあり、刃の跡も奇麗です。
鳩の首と羽の先に使っているのがウォールナット。これはまあまあの固さ。
羽の付け根にある赤い木は花梨で、これも固い木です。
人物の頭の部分に使っている黄色っぽい木はマホガニーで、これは非常に柔らかくいのですが、繊維が強い感じで彫りにくい木です。
羽の先の下の方に斜めになっている木はチーク。これもそれほど固くはないのですが、マホガニーに似て彫りにくい部類の木です。
なんだかんだ、桜以外はどれも彫りにくく、ここまで20時間近くかかってしまいました。 いつになったら完成するやら・・・。